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スクールポリシー

スクールポリシー

三綱領

一 明照殿を敬い 信念ある人となりましょう
二 勤倹誠実の校風を尊重して よい個性を養いましょう
三 平和日本の有要な社会人となりましょう


 本校は浄土宗学愛知支校として、遠く明治の世に呱々の声をあげました(1888年=明治21年)。私立東海中学校となったのは明治末年(1909年=明治42年)にさかのぼります。
 こんにちの「三綱領」を根底で支える理念は、仏教思想としては、椎尾辨匡(1876~1971年)が提唱した「共生」思想に根ざしています。椎尾は大正期に第二代の東海中学校長を務めた人物であり、学園中興の祖で、1920年代に「共生」運動により、仏教界に革新の息吹を吹き込んだことでも知られます。
 「共生」思想は仏教思想としては縁起論によって基礎づけられますが、縁起とは、すべてのものは他と関係しあって生起し存在する、それらは過去から現在、さらには未来へと無限のつながりをもつととらえる思想です。

 人は個として切り離されて存在するのではなく、時間的にも空間的にも無数の連鎖のなかに生きている、この思想を簡潔に三項目にまとめたものが「三綱領」となります。
 この「三綱領」の精神こそが、本校の拠って立つところの最も根源的な思想です。


1 スクールミッション
 三綱領に基づいた「勤倹誠実」の精神で民主社会の「有要な社会人」を輩出する責務を果たすとともに、150年にならんとする歴史ある伝統校として、温故知新を旨とし、創立以来培われてきた豊かな歴史や人と人との絆を活かしながら、時代と社会の負託に応える本校独自の教育を追求しつつ新たな価値の創造に挑戦します。


2 アドミッション・ポリシー
 中学受験あるいは高校受験を目指す小・中学生やその保護者に対して、本校はいわゆる入試説明会という形式をとらず、学校説明会として開催しています。また、サタデープログラムや記念祭などの学校開放も積極的に実施しており、その意図するところは、単に上級学校への進学実績や入試の難易度といった表面的な動機で本校を選ぶのではなく、本校がどのような歴史と伝統のうえに立ち、どのような理念のもとに日々の教育実践をおこなっているのかという、まさにスクール・ポリシーを理解したうえでの学校選択が望ましいという考えによるものです。
 本校は、世にいう進学校というステレオタイプでとらえられがちな学校とはまったく異質です。人としての成長という面から見て、13~18歳の6年間は、子どもからおとなへと大きく変貌を遂げる時期であり、将来に向けての無限の可能性を育む時期であり、したがってそこに位置づけられる学校生活は、単に通過点ではなく、そこで過ごす時間そのものを可能な限り充実させていかねばなりません。人の成長にとってかけがえのない、ある意味では人生の方向を決定づけるほどの重みをもつ6年間を送るべき場所として、本校を選んでほしいと思います。
 さきほどふれたサタデープログラムにしても、記念祭にしても、その他の学校開放にしても、思春期・青年期を謳歌する本校生徒にじかにふれることによって、本校に対する理解をいっそう深めるための恰好の機会でもあります。それでは本校はどのような人を迎えたいのか、それは「三綱領」の第一にあるように、畏怖の念を持ち、頭を垂れることのできる人ということになります。


3 カリキュラム・ポリシー
 「三綱領」の第二では、「勤倹誠実」を重んじるとともに「個性」を豊かに伸ばすことを、本校の教育目標に掲げています。個々の人間の評価は多面的であるべきです。進学校を標榜する学校では、えてして学習面の評価ばかりが強調されますが、それでは、教室でスポットが当たるのはいつも似たような顔触れとなり、陽の当たらない大多数の生徒はときに疎外感にさいなまれることになります。
 部活動などの通常の課外活動にとどまらず、本校には多種多様な自主活動のメニューが用意されており、そこでの活動を通して自分の能力を周囲のクラスメートから評価され、また、いままで気づかなかったクラスメートの優れた一面を発見し、改めて評価することができます。
 このような経験を重ねることにより、生徒たちは人間に対する深い理解、すなわち一面的ではない人間観を身につけることができます。まさに互いの「よい個性」を認め合い、育み合うのです。このような過程こそが本校の、他校に見られない特性を保障するヒドゥン・カリキュラムです。
 友人同士、互いの特性を認め合うことにより、東海で過ごした6ヵ年は生徒一人ひとりにとってかけがえのない時間となり、ひいてはそれが愛校心に結びつく――このような伝統は時代を超えて受け継がれていくべきものです。


4 グラデュエーション・ポリシー
 世に言う進学校は、いわゆるレベルの高い大学・学部に多くの合格者を出すことにより世間の評価を高めます。しかし、学校が有名大学の合格者数というところに教育活動の焦点を合わせてしまうと、大学合格が究極の目的と化してしまい、中・高6ヵ年という貴重な時間が、大学に至るまでの一通過点となってしまいます。大学合格はあくまでも教育の結果であり成果であって、目的や手段となってはなりません。言い換えれば、能力的に伸びきった状態で大学に入学するのではなく、大学合格後も、さらにはその先の人生においても確実に伸び続ける学力の育成を目指さねばならず、それは時間と根気のいる作業となります。
 たとえるならば、種をまいて水を与えてすぐ芽吹くような木は大樹とならず、20年先、30年先に大樹となるためには、彼らが多様な経験や出会いを重ねるなかで、体内に少しずつエネルギーを蓄えていくのを、見守ってやる必要があります。
 サタデープログラムや記念祭といった自主活動は、そのような経験や出会いの場として位置づけられ、大学合格に必要ないわゆる受験学力は、6ヵ年に獲得すべき学力の一部にすぎません。学校の外に広がる社会とつながることによって、あるいは目標を共にする友人たちと切磋琢磨することによって培われる、広い意味での学力を一枚の大きなパイにたとえるならば、受験学力は、実は、そのうちの一切れに過ぎません。その一切れだけを取り出して大きくすることはできないのです。パイそのもののサイズを大きくすることにより、受験学力という一切れもおのずと大きくすることができます。
 もちろん、このような教育には、保護者や周囲の人たち、時には本校の卒業生など、さまざまな人たちの理解と協力が必要であり、このような本校の目指す教育を、「三綱領」では「平和日本の有要な社会人となりましょう」という言葉で端的に表現しています。
 日本の平和だけでなく世界の平和に貢献できるような、社会の「要」となるような人づくりは、叙上のような学力観に支えられるものなのであり、本校としては、このような立場から、世に有為な人物を送り出していきます。