本校では、「今、そして将来にわたって必要なことを学ぶ」ことを目的とした総合学習を実施しています。情報化社会の中で、実社会との関わりを重視した指導を行います。
中学校では、インターネットなどさまざまな「情報」の取り扱いを中心に学ぶ授業、外国文化の知識・理解を深める「国際理解」、自分の将来像を描き出す「卒業レポート」の授業などを行い、現代社会を生き抜くために必要な力を成長段階に合わせて育成します。
高校では外国人講師の指導により、トピックを中心にしたコミュニケーション重視の授業形式で進められます。国際理解の一助としてコンピューターを利用し、英語圏の文化や習慣に習熟することを目指しています。「サタデープログラム」に加え、高1の「研究&仕事紹介講座」という企画でも、実際に社会で活躍されるOBを中心としたさまざまな方をお招きするなど、将来社会に出たときに必要な知識や意識を、6年間にわたって本格的に学べる体制を整えています。
情報の授業では、「情報力をつける」「新しい社会のルールを学ぶ」ことを目的に行われます。情報力とは、「情報を収集する力」「情報を理解し、分析する力」「情報を発信する力」などを言い、いずれも現代社会で必要不可欠な能力です。また、新しい社会のルールについては「著作権」「情報モラルとルール」「情報犯罪」「情報に対する信憑性の検証」など非常に多岐にわたっており、生徒たちは与えられた課題に取り組みながら、情報化社会の急激な流れの中で将来役立つ知識を段階的に身につけていきます。
臓器移植や遺伝子解読、クローンなど、医療技術がめざましい進歩を遂げる中、「『いのち』にどこまで人間が介入してよいか」という「生命倫理」の問題が世界中で議論されています。また一方では、青少年の自殺や殺人、傷害事件をはじめ、家庭における幼児虐待、子殺し、親殺しなどの事件が相次ぎ、「生命の軽視」あるいは「生命のモノ化」が目に余る状況にあります。
いのちの授業では、こうした私たちを取り巻くさまざまな生命の問題を取り上げながら、「生」と「死」を真正面から見つめます。
中学3年生が取り組む卒業レポートは、本校が10年以上前から実施している授業であり、生徒自身が実社会に触れながら自分の将来像を描いていくものです。
授業では、
1. | 社会に目を向けることによって、社会の中の自分の役割を考える |
2. | さまざまな社会情勢に対し、自らの課題を見つけて自分の意見を持つ |
3. | 自分の人生を主体的・創造的に選択できる力を養う |
4. | 表現活動や討論活動のより良い方法を学び、生徒同士が互いに自らを振り返る |
ことを目的として進められます。生徒たちは、自分が興味を持った方々から直接お話を伺い、その職務の魅力や問題点などの「生の声」を聞きながら自分の将来像を考察し、レポートにまとめて発表します。
また、課題を通して「論文・レポートの書き方」や「インタビューの方法」なども学び、情報整理や自己表現に必要な能力を身につけます。
2002年度から実施している土曜公開講座「サタデープログラム」は、1994年〜2001年に延べ243講座が行われた土曜特別講座の理念を受け継いだものです。
毎年2回学校を開放して合計100講座以上が開かれるサタデープログラムは、多くの企画・交渉を生徒実行委員会が担当し、今では来校者が1回につき6,000人を超える東海の一大イベントとなっています。
サタデープログラムには校外から講師を招いた講義も多く、これまでに政治評論家の田原総一郎氏や弁護士の丸山和也氏をはじめ、マンガ家の荒木飛呂彦氏、女優の竹下景子さんなど、数々の著名人による興味深い講義が行われています。
また、本校の同窓生の方々が講師を務める講座「ようこそ先輩」も好評を得ています。講師には、伊藤一正中日球団代表や石田芳弘衆議院議員、渡邊孝好映画監督、三宅民夫NHKアナウンサー、近藤詔治日野自動車会長など各界からお越しいただき、多岐にわたった講師陣の顔ぶれはまさに東海ならではと言えます。
そのほか、すでに恒例となっている各党の現職国会議員との公開討論会などもあり、校外の方々と触れ合いながら多種多彩な講義を受講できるサタデープログラムは、参加する生徒はもちろん、運営に携わる生徒にとっても貴重な体験の場となっています。